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カルトナージュ用語集、第2回は「カルトナージュ」のメイン材料である、厚紙(カルトン)です。土台となる箱を作るのに、厚紙は欠かせません。種類や厚さごとのおすすめ用途を解説していきます。
カルトナージュに使う厚紙の種類
カルトナージュの材料となる厚紙には様々な種類があります。まずは、代表的なものをご紹介します。
グレー台紙(ボール紙、チップボール)
灰色の厚紙。コストは最も安い。厚さのバリエーションが多い。L判(800mm×1100mm)サイズで売られていることが多く、店頭で購入して持って帰るのが大変。
白い水貼りテープやマスキングテープで箱を組み立てたときに、テープと箱の色の差が大きいので、布を貼る際に裏紙をあてることを推奨。
クリーム色のグレー台紙もあり、色が明るく鉛筆などで描いた下絵もわかりやすいため、扱いやすい。筆者のメイン素材はこのクリーム色のグレー台紙です。
白ボール
表面、または両面が白。グレー台紙の表面を白い紙で仕上げてあるので、両面が白だとコストが高くなる。
白い水貼りテープやマスキングテープで箱を組み立てたときに、テープと箱の色の差が小さいので、裏紙を布に貼らなくても綺麗に仕上がる。
黄ボール
グレー台紙よりも柔らかめなので、カッターで切りやすいが、箱として組み立てた時の耐久度はやや弱め。曲げやすさを利用して、ブックカバーなどに使うのも。
黄色っぽい色のため、グレー台紙よりも色味が明るく、水貼りテープを貼ったところと色のコントラストが付きにくく、薄い布や明るい色合いの紙を貼る場合におすすめ。
カルトナージュ台紙
ほぼグレー台紙だが、扱いやすいようにA4やA3といったサイズで売られていたり、あらかじめ円形やパーツのサイズにカッティングされていたり、片面が黒などに加工されていることもある。
実は、これらは複数の紙を圧着して厚みを出した厚紙という意味では、ほとんど同じです。お店により、グレー台紙といったり、ボール紙と言ったり、単に厚紙、板紙とも言います。最近は、カルトナージュ材料の専門店などで「カルトナージュ台紙」として売っているところもあります。
厚紙の厚さと、おすすめ用途
カルトナージュ用の厚紙として最もポピュラーなのは、2mm厚のグレー台紙です。厚紙の種類にもよりますが、厚さによって箱にしたときの耐久度や扱いやすさが変わってきます。
3mm厚以上〜の厚紙
A4のファイルケースや両手で持つようなサイズの大きな箱を作るときにオススメ。
厚みがある分、カッターで切りにくいため、カッターで切り込みを入れて何度も繰り返し切っていく。丸箱を作るために曲げる場合も、綺麗に仕上げるためには根気と時間をかけて丸くしていく必要がある。
2mm厚の厚紙
カルトナージュの材料として、最もポピュラーな厚みです。眼鏡ケースからA4サイズくらいまでの箱に向いています。カッターでキレイに切るには、一度に切ろうとしないで、再世は物差しに沿ってカッターの歯で線を引くくらいのつもりで切り始め、最初の線を何度もなぞるように切ります。
組み立てる時には、厚さ2mmを考慮して設計します。布の厚みも重なると、フタが閉まらない!なんてこともあります。丸箱を作るときは、お菓子の缶などを利用してしなりをつけ、丸めていってから洗濯バサミなどで固定し、一晩置くと綺麗な丸みになります。
2mmで箱を作ると耐久性もあり、私が20年前に作った丸箱(ホールケーキくらいの大きさ)も、現役で潰れたりせずに使われています。
1mm厚の厚紙
手のひらサイズの小箱や、眼鏡ケースなど普段使いの箱に向いています。元々、2mm厚のグレー台紙は1mm厚の物を2枚重ねて作られていることが多いですが、1mmなら貼り合わせていないので、丸みのある形も作りやすいです。ただし、大きな箱を作るには向いていません。扱いやすいので、小学校高学年でもカッターで切ってカルトナージュに挑戦できます。
厚紙(カルトン)の代用品
画材店などに行かないと入手できないグレー台紙やチップボールの代わりになるものとしては何があるでしょうか?また、自分で台紙から箱を組み立てずにすむ方法はあるのでしょうか?
色紙
100円ショップでも手に入る厚紙があります。それは、色紙です。厚さは1.5mm程度なので、カルトナージュをするにもちょうど良いです。
牛乳パック
コスパの良さは抜群ですし、丈夫さ、扱いやすさで工作のお供としてあまりにも有能。すでに箱型なので、裏紙を当てた布を貼るだけで、ペン立てが完成します。
クッキー、和菓子などの空き箱
こちらもカルトナージュに利用できます。フタ部分にだけ布を貼っても、十分おしゃれなインテリアになるものもあります。空き箱リメイクから始めるのはいかがでしょうか。
ちなみに。。。
イラストボードなども、ちょうどよい厚紙ではありますが、カルトナージュで使うにはコスパが悪いのでお勧めしません。
以上、カルトナージュのメイン材料である厚紙(カルトン)について解説してきました。
筆者が作品を作っていての所感に基づきますので、画材屋さんなどで実際に色々な種類の紙を確かめたり、少量ずつ購入して切ったり組み立てたりして、ご自分が作りやすい厚紙を探してみてくださいね。