大災害など,大きなストレスとの向き合い方

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一連の出来事で,学生時代に読んだ論文を思い出しました.
コピーを何年か前に捨ててしまったので,細かい点はうろ覚えです.
(そのため,内容の正確さについてはご了承ください)

1954年,アメリカがビキニ環礁で水爆実験をしたときに被ばくした島民の,心理的ストレスを長期間にわたり研究したものだったと思います.
その研究によれば,「被ばく」という大きなストレス事象への対応で一番よいのは,「泣く」「人に気持ちを話す」「感情を表す」という様な方法でした.

この論文から言えるのは,
一般的には,感情的なストレス対処法というのはあまりよくない,何故ならそれをしても自体が変わらないので,というように言われていますが,大きな災害や事故など,被害者がどうしようもできないような大きなストレスに対しては,感情的な対処法が効果的ということではないでしょうか.

テレビを見ても,「泣いてる場合じゃない」といって修復や何かの作業を進める人は多いです.でも,十分に「嘆く」とか「泣く」とかいうこと,怖い気持ち,悲しい気持ちを外に出し,周りの人と共有するというステップは人間にとって必要不可欠です.

冒頭で紹介した研究でも,十分に泣いたりせずに我慢してしまった人たちの方が,長期的にはあとで罪悪感や無力感にとらわれてしまったということです.
被災地では,子どもたちは大人が忙しそうにしていて,泣くのをこらえている子も多いのでは?もっといえば,「復興,復興」とがんばる大人,特に男性なんかは「男が人前で泣けない」と思い,十分に嘆くことができていないのでは?

衣食住を充たすのも,建物を直すのも大事ではあるのですが.
そういった,悲しみや辛さなどのネガティブな気持ちを受け止める場も,同じくらい重要で必要だと思います.

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